家庭血圧の正しい測り方

「病院で血圧を測ると高く出る」「家庭血圧を測るようアドバイスされた」などありませんか?
血圧は測定する環境や測定方法、精神状態の影響など、わずかなことで上下することがあります。
毎回測定条件を同じにし、正しい方法で測定をすることで正確な数値が得られます。
日々の血圧の数値を知ることは、死亡リスクの高い脳卒中や心筋梗塞などの予防にとても大切です。
継続的に測定し、ご自身の健康管理に役立てましょう。
血圧計の選び方
現在市販されている一般的な家庭用の血圧計は主に、
「上腕式」と「手首式」があります。
メーカーや機種によって使い心地や価格など様々ですが、
心臓の高さに近い「上腕部」で測定をすることで、誤差が生じにくく
正確に測定ができるため、日本高血圧学会では「上腕式」を推奨しています *¹。

参考文献:*¹日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
腕帯を自分で巻くタイプ
上腕に腕帯を自分で巻き付け血圧を測定します。コンパクトで場所も取らず、
持ち運びも容易です。
価格の目安:約3000円~

腕を機器に通すタイプ
機器の腕帯に上腕を通して測定します。
設置式で上腕式より機器が大きくなりますが、腕を通すだけで簡単に血圧測定が出来ます。
価格の目安:約15000円~

血圧計は血圧測定のみ行うシンプルなものや、スマホなどのアプリと連携して血圧データをグラフ化・心電図の測定ができるもの等機能により価格が異なります。ご自身の測定環境などライフスタイルに合い、無理なく測定が継続できるものを選択しましょう。
血圧の測定方法
1. 朝と晩に測定します
血圧は食事や排せつ、入浴や室温、その時の精神状態などわずかな条件で変動します。
測定条件を同じにし、安静にしてから測定しましょう。
また測定前の喫煙は、ニコチンが血管を収縮させるため血圧が上がりますので喫煙は控えましょう。
【朝の測定準備】
起床後にトイレを済ませ、食事等の前に椅子に座り約1~2分程度安静にし、
呼吸を整えてから測定します。
排尿を我慢していると、緊張して交感神経が優位となり、
血管が収縮して血圧が高くなります。

【夜の測定準備】
就寝前、椅子に座り呼吸を整え約1~2分程度安静にし、
呼吸を整えてから測定します。

【室温】
室温は寒すぎず、暑すぎない温度に調整しましょう。
特に冬場の朝は低い室温で測定すると、血管が収縮し血圧が高くなります。
暖房を入れ、お部屋を暖かくしてから測定しましょう。
2. 素肌または薄手の肌着の上から測定します
厚い生地の上からや、腕まくりをした状態で測定すると、生地で腕を圧迫し血管に圧力が正しく伝わらない事があります。
正確な測定のために、素肌または薄手の肌着の上から血圧計の腕帯(カフ)を巻きましょう。
血圧は心臓の高さで測定することが原則です。
心臓より高い位置の場合、血流が流れにくく数値が低く出ることがあり、低い位置の場合は高く出ることがあります。
測定回数と記録
1機会原則2回測定、週5日以上測定しましょう
血圧は時間帯や体調、行動や精神状態等わずかなことで変動します。
毎回測定条件(時間・環境)を同じにし、1機会2回測定したその平均をとることを推奨しています。
測定した数値を記録しましょう
血圧の記録方法はメモ帳などに手書きやスマートフォンのアプリ、
パソコンでのデータ管理等様々なものがありますので、
ご自身が記録しやすいものを選びましょう。
また、血圧は精神的に緊張している状態で測ると、高く出ることがありますので、
こうした出来事も記録しておくことも参考になります。
毎日測定することで数値の変動やご自身の体調の変化に気づきやすくなります。
記録したものは医療機関を受診の際持参することで、治療の診断材料となりますの
で、ぜひご活用ください。

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